ひだまりHoney
「えっ!?」
「晃、ちょっと待て。寂しいって何だよ! お前がしつこく聞いてきて、半ば無理やり言わせたんだろ!」
紺野さんの慌てぶりに、大田原さんは何を言っているか分からないかのように、首を傾げた。
「そうでしたか? よく覚えてないです……でもまぁ、晴暉以外の男性の子供を身ごもったりしていなくて、良かったです」
大田原さんは美都里さんの隣に並ぶと、その肩をそっと抱き寄せた。
「僕も早く子供を授かれるように頑張っていますけど、なかなか思い通りにはいきませんね」
私の後ろで紺野さんが吹き出した。
「いや、努力は実ってるよ。良かったじゃん、破談から結婚に一足飛び……ってほど簡単にはいかないか?」
「え?」
大田原さんが瞳を大きくさせて、美都里さんを見下ろした。
「私、妊娠しました」
美都里さんが小さく頷きながら報告すれば、大田原さんは即座に彼女を力一杯抱きしめた。