ひだまりHoney

「わぁ!! 有り難うございます!!」

大田原さんの腕の中で、不安そうだった美都里さんの表情が安堵の表情へと変わっていく。

「これから忙しくなりますね。籍を入れましょう。あ、その前にご両親に挨拶を。まずは美都里さんのご両親に。これから行きましょうか……いえ、都合の良い日を伺うべきですよね……では、ちょっと憂鬱ですが今から行く予定でしたし、まずは僕の父と母に報告しちゃいましょう」

大田原さんが珍しく頬を上気させ、饒舌になっている。それだけで本当に喜んでいる事が伝わってくる。

大田原さんは美都里さんの手を優しく掴み取ると、もう片方の手を自分の胸に添えた。

「僕と結婚して下さい」
「……晃さん」
「全身全霊をかけて貴方を幸せにします。約束します。愛しています」

通りがかりの女性二人が足を止め、きゃっと黄色い声を上げた。

本当に物語の中に出てくる王子様みたいだ。

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