ひだまりHoney
手を伸ばそうとすれば、自分の指先が少しだけ躊躇った。
でも、心の中にある彼への愛しさが、後押しする。
私は紺野さんの空いている手をそっと握りしめた。
驚いたように、紺野さんの視線が繋がった手に落ちていく。
「あのさぁ」
「はい」
「……いや、何でもない」
しかし、彼の表情はそう言っていない。
「もしかして、明日も仕事入っちゃいました?」
不安になって問いかければ、繋がっていた紺野さんの手が私の腰に移動する。
「入れないために頑張った」
そのまま、距離が近くなる。
「明日、すごく楽しみだったから」
そっと額に紺野さんの唇が触れる。
間近に見えた優しい紺野さんの瞳に、体の奥が熱くなった。