ひだまりHoney
出来ない約束はしない。
駅のホームで寄り添うように立ち、電車を待つ。
改札を抜ける所までは私たちの間にそれなりの距離があったけれど、階段を降りた所でまた彼の手が腰元に伸びてきた。
久しぶりだからか、今日の紺野さんはちょっとだけ密着度が高い。
でも、私に恐怖感はない。
それどころか……間近に聞こえる声や息づかい、感じる体温、ちょっとした体の動き、筋肉質な胸元、腰を引き寄せる力加減に、私はいちいち反応してしまう。ドキドキする。
反応しては顔も体も熱くなる。頭に血が上りそうだ。
もう付き合って半年。
軽いキスだったり、抱き締められたりはするけれど、それ以上の事を紺野さんは求めてこない。
きっと怖がらせてしまうと思っているからだろう。
そして私も私で、その優しさに甘えてしまっていた。