ひだまりHoney
もちろん今の弟のバカな発言を聞いていたのは私だけじゃない。
紺野さんが肩を震わせるのを感じて、恥ずかしさが倍増する。
『一箱買っていった方が良いかな……足りなかったらどうしたら良い? 念のために、二箱買っちゃう?』
「ふ、二箱って……あぁ、もう! 紺野さん、笑い過ぎです!」
我慢できず笑い出した紺野さんを、手で押しやった。
「いや、ごめん。だって……一箱にいくつ入ってるの買うつもりなんだろうと思ったら」
苦笑する紺野さんに顔が赤くなる。私はため息を吐きながら、スマホを耳元に戻した。
『ちょっと姉ちゃん! そこに晴暉兄(はるきにぃ)いるの!?』
「えっ……い、いるけど?」
『代わってよー!』
「何で!?」
『良いから、代わってよー!』
「はい」と膨れっ面で呟きながら、紺野さんにスマホを渡せば、彼は驚きながらもそれを受け取った。
「こんばんは……一箱はやり過ぎだろ……ってか、無理だろ。一泊じゃ」