ひだまりHoney
胸元に手をあて息を吐けば、紺野さんの手が私の肩を引き寄せた。
「緊張してる?」
「……はい」
「ずっと前食べたお弁当、あれ美味しかったし。別に頑張らなくても良いよ、いつも通りで」
「そ、それもありますけど……どちらかと言えば……今夜は紺野さんと二人で……過ごすんだなと思って」
段々と声が小さくなっていく。
もしかしたら数時間後には、紺野さんの腕の中にいるかもしれないのだ。
私、大丈夫だろうか。
「力任せで珠洲を泣かせたり怖がらせたり、そんなこと絶対にしない。約束する」
紺野さんが耳元に顔を寄せてきた。鼓動が加速していく。
「けど……何もしないっていう約束はしない。我慢できそうにないから」
肩を抱く紺野さんの手に力が入って、また頭に血がのぼっていく。
足下がゆらりと揺れた気がした。