ひだまりHoney

テレビを見つつ仕事もしていたらしい。

パソコンを閉じ、その上に書類を置くと、紺野さんは両手を伸ばした。

VネックのTシャツに七分丈のパンツ。

共に黒字に赤のラインが入っていて、そのままスポーツが出来てしまいそうな感じである。

「喉渇いたな」
「私も」

彼は立ち上がると、私の横を通りキッチンに入っていく。

冷蔵庫から大きなお茶のペットボトルを取り出し、食器棚からコップを二つ取り出してくれた。

緑の液体が注がれていく。

「はい、珠洲」
「有り難うございます」

冷えたお茶を二人揃って静かに飲んでいると、自然とリビングへ目が向いていく。

リビングの両脇に二つ部屋がある。紺野さんの部屋と大田原さんの部屋だろう。

「部屋が隣接していないと、適度な距離を保てているような感じがしますね」

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