ひだまりHoney
「そう思えるかもしれないけど、晃は俺の部屋も自分の部屋のように入ってくるから、プライベートな部分を保てているとはあまり言えないかな」
「そうなんですか」
中身を飲み干したコップを流し台に置き、紺野さんは指をさした。
「ちなみに、ちょっとドアが開いてる方が晃の部屋……俺のはあっち」
今の今まで気付かなかったけれど、片方の扉が少し開いていた。
「僕も自由に入りますから、ピースも晴暉も好き勝手に入ってきて良いですよ……って、ずっと前に言われたことがある……まぁ、晃は昔からそういう男だったし、俺もそれ分かっててルームシェアしたから、別に文句はないけどさ」
「親戚だから気兼ねないのかもしれないですね」
少し笑ってから、私はコップを両手で持った。
なんとなく紺野さんに目を向ければ、彼もわたしを見つめていた。
「……そうだよな」
そっと彼の指先が、私のシャツワンピースの襟元にふれる。