ひだまりHoney

呼びかけられ、熱くなった顔を向ければ、彼が距離を詰めてきた。

そっと重なりあった唇は、やっぱり温かい。

触れては離れて、また重なり合う。

「お、お茶が……こ、ぼれ……ますっ」

キスの合間にそう抗議すれば、紺野さんの手が私の握りしめていたコップを奪い取り、台の上へと置いた。

そして、コップを手放した手は、そのまま私の背中に移動する。

力強く引き寄せられれば、キスが深くなった。

口内に感じた彼の感触が、余計な意識を切り離していく。

感じるのは、紺野さんだけ。

時々荒々しさが混じる息づかい。私を支える熱い手。

舌先の動きに、自分が求められていることを認識させられる。

突然、ゲージの中で寝そべっていたピース君が、きっちり閉じられた紺野さんの部屋の扉の前へと走り寄っていった。

私たちが体を離せば、何かを教えるように、高い声音で一鳴きする。

すぐに彼の部屋の中からメロディが聞こえていることに、私は気がついた。

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