ひだまりHoney
一歩一歩、紺野さんが歩み寄ってくる。
「温もりっていうよりも、きっと俺、熱の塊みたいになってると思う」
彼の指先が私の指先に、絡みつく。
「本当だ。熱いです」
「珠洲は冷たいな……冷たくて、気持ち良い」
掛け布団を握りしめていた力が徐々に抜けていく。
キスを繰り返しながら、彼は布団の中にするりとその身を滑り込ませ、私に覆い被さってくる。
唇に、額に、頬に、耳に、優しいキスが降ってくる。
その一つ一つが、私の中の恐怖心を払拭し、代わりに熱を植え付けていく。
――……好きという熱。
「紺野さん……大好きっ……」
貴方への愛しさだけが、私の体を動かしていく。
私の唇を啄んでいた彼の唇が、ゆったりとした速度で移動する。
首元から胸元へなぞるように進んでいく唇の余韻に、自分でも驚くほどの艶めいた声音を上げてしまう。