ひだまりHoney
甘美な声音に、ぞくりと背筋が震えた。
「可愛い……愛しすぎて、たまらない」
予告なく差し込まれた指先の動きに、更に乱れていく。
互いの熱を絡み合わせ、私は晴暉さんに溺れていく。
「珠洲……良い?」
問いかけと共に、彼の手が枕元にあった避妊具の箱に触れた。
もっと早く会いたかった。
美都里さんのように高校生の頃、彼に出会えていれば、私は全く違う人生を過ごしていたかもしれない。
そう考え、瞳を伏せた。今の自分の考えを心の中で否定する。
気がついたからだ。
今の私で今の晴暉さんだから、こんなにも満たされているのだと言うことに。
貴方に会えて、本当に良かった。
「待って晴暉さん」
私の足を押すように触れた晴暉さんの手が、ぴくりと反応する。
優しい眼差しがすぐに私を捉える。
「恐い?」
彼の体が僅かに後退する。
大切に扱われていることがしっかりと伝わってきて、涙が込み上げてくる。
「違うの……私、今、とても幸せです」
両腕を伸ばせば、彼は穏やかに微笑み、体を倒してきた。
「俺も……でもさ、俺たちはまだまだこれからだよ」
髪を撫でながら甘く囁かれた言葉に、心が震える。
「これからも、沢山の幸せを二人で重ねていこうな」
優しさに満ちた貴方の腕の中で、私は笑みを浮かべた。
<了>