ひだまりHoney

「あのっ」
「何?」
「間違っていたら、ごめんなさい。貴方、今朝の……あの、痴漢」

痴漢から助けてくれた人ですよね?

その問いかけを遮るように、バサバサバサという大きな音が響き渡った。

見れば、『ミーティングルームA』というプレートがある扉を開けようとしていたらしい大田原さんが、持っていた書類を豪快に落としたようだった。

大田原さんは大きく目を見開いて、私と彼を交互に見ている。

その視線に気付いた彼が、慌て始めた。

「え? ちょっ、違う違う違う! 何か変な風に勘違いしてるだろ!」
「あー、晴暉……痴漢はだめです」
「言われなくても分かってるよ、そんなこと!」

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