ひだまりHoney

今私がいるテーブルには、大田原さんと松戸(まつど)さんと桃宮(ももみや)さんしか座っていない。

後ろ二人は、私が紺野さんを認識したあの時に、ドアから覗き見て彼をからかっていた人たちだ。

この仕事は急に入ってきた仕事らしく、メンバーの殆どは他のプロジェクトとの掛け持ちである。

だからずっとここに座っているのは私と美都里さんくらいで、美都里さんは今、紺野さんと一緒に会場の下見に行っている。

「ね、平加戸さん。もうちょっとこっちに寄ってきたら?」
「なんか輪から外れてる感じがする」

テーブルに置いておいた書類の中から、ファックス番号の書かれた封筒を探していると、二人組が揃って手招きしてきた。

< 57 / 447 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop