ひだまりHoney
今私がいるテーブルには、大田原さんと松戸(まつど)さんと桃宮(ももみや)さんしか座っていない。
後ろ二人は、私が紺野さんを認識したあの時に、ドアから覗き見て彼をからかっていた人たちだ。
この仕事は急に入ってきた仕事らしく、メンバーの殆どは他のプロジェクトとの掛け持ちである。
だからずっとここに座っているのは私と美都里さんくらいで、美都里さんは今、紺野さんと一緒に会場の下見に行っている。
「ね、平加戸さん。もうちょっとこっちに寄ってきたら?」
「なんか輪から外れてる感じがする」
テーブルに置いておいた書類の中から、ファックス番号の書かれた封筒を探していると、二人組が揃って手招きしてきた。