ひだまりHoney
二人は立ち上がると、挟みうちするようにテーブルを回り、私との距離を詰めてきた。
松戸さんの手が私の肩を押す。寒気が走った。
「な、何ですかっ!?」
「はい。平加戸さん、もうちょっと輪に入ろうね」
「荷物移動しまーす」
「お構いなくって言ってるじゃないですか!」
「お前等うるさい!」
明瞭な声音と共に、軽快な殴打音が三回鳴る。
後頭部を押さえ振り返れば、下見から帰ってきた紺野さんと美都里さんが立っていた。
ジロリと見下ろす彼の手には、丸められた書類。私たち三人は、それで叩かれたらしい。
「わおっ、紺野さん。もう帰ってきたんですか?」
「帰ってきて悪かったな」