ひだまりHoney
「結構痛かったんですけど……俺たちは良いけど平加戸さんまで、可愛そう」
「お前らよく考えろよ。平加戸を本気で叩くわけないだろ?」
全く痛みを感じなかった後頭部から手を離すと、私は移動されかかっていた書類の位置を元に戻し、そのまま椅子に腰掛けた。
「あっ、座っちゃったじゃないですか」
「紺野っちの邪魔により、親睦を深めよう失敗」
「親睦?」
「そうです。平加戸さんが俺たちとの距離をなかなか縮めてくれないんで、恥ずかしがり屋の壁を取り払ってあげようかと」
「……恥ずかしがり屋?」
顔を上げれば、紺野さんが目を細めて私を見下ろしていた。
「どう見ても違うだろ。俺には、こんなバカっぽいヤツらとは関わりたくないって顔に見える」