ひだまりHoney
「本当だ。透明感ありますね!」
美都里さんのうっとりした声音につられ、大田原さんの手元を覗き込む。
ディスプレイにあったのは、大田原さんの考えるイベント入り口の構想。
水色のクロスを掛けられた受付テーブルの脇に、ちょっと捻れた青い柱が描かれている。
柱は向かって右側に一本、左側に二本ある。左二本の間には、案内図とパンフレットの棚が設置されていた。
「素敵!」
扉をくぐると、この光景が出迎えてくれる。
頭の中で想像し、素直に感想を口にした。
「入り口で足を止めちゃいますね。すごくワクワクします」
大田原さんが肩越しに振り返り、嬉しそうにニコリと笑った。
途端、私は現実に引き戻され、慌てて一歩後退する。