ひだまりHoney
朝の語らい
ガタリゴトリと揺れる電車の中、私は口元を手で押さえ大きなアクビをした。
今朝も、もちろん早めの通勤である。
ちょっと眠いけど、心はすごく穏やかだ。この平穏さは何者にも代えがたい。
鞄からスマートフォンを取り出し、メールのアイコンをタップした。
「よろしく」という題名の下に表示されている「紺野晴暉」という名前を、指先でそっと触れる。
昨日、仕事を終え、木村さんと一緒に駅に向かっている時、紺野さんが慌てた様子で追いかけてきた。
『忙しくて、聞くの……ずっと忘れてた……二人とも……電話番号とメールアドレス教えて』
肩を大きく上下させ、息を整えながら彼は苦笑した。
『はーい!』