ひだまりHoney

この後、どんなやり取りをしたのか……ちょっとだけ興味はある。

けれどあの時、起きていなくて良かったという気持ちの方が強かった。

紺野派だと言っていた美都里さんにとって、二人でメールのやり取りをした方が嬉しいに決まっている。

私も木村さんの恋の邪魔にならずに済んで、嬉しい。

思わず口元を緩めれば、電車が速度を落とし始めた。もうすぐ次の駅に到着する。

なんとなく目をホームに向け、私は思わず瞬きをした。

隣の車両をじっと見つめれば、数人の男性に混じって紺野さんが乗車してきた。

そうだ。何も驚くことはない。

以前、同じ電車に乗り合わせ助けてもらった過去があるのだから、彼が同じ路線で通勤していても、なんらおかしくはない。

< 74 / 447 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop