ひだまりHoney

私より少し遅れて下車し、けれど、紺野さんはどんどん足早に遠ざかっていった。

「頑張って下さい」

そんな後ろ姿に向かって、ぽつりと呟いた。

昨日の帰宅もあの時間で、今朝も出社が早い。

私の携わっている仕事の他に、紺野さんはチーフとしてあと二つ仕事を抱えているようだ。

でも共に仕事をしていて見えてきたのは、どうやらそれだけではないらしいということ。

年齢関係なく誰もかれも、最終的には大田原さんと紺野さんを頼りにしていると言うこと。

指示や助言を求めて彼らの元によくやってくるのだ。

見えてきたのは、大田原さんが全てを仕切っていて、紺野さんがその補佐のポジションにいる……という構図。

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