ひだまりHoney
コーヒーにしようか。ホットティーにしようか。ココアにしようか。
三つの飲み物をぐるぐると思い浮かべながら、コンビニエンスストアの前を通りかかると、勢いよく自動ドアが開いた。
「あれっ、平加戸?」
「わっ!」
そのまま社に行っただろうと思っていた紺野さんが、小さなコンビニ袋を手に目の前に立っていた。
「お早う……って、出社の時間にはまだ早いよな?」
「お早う御座います。紺野さんも早いですね」
「うん。ちょっと仕事が」
さっきはあんなに速く進んでいた足が、完全に停止している。
私はずずっと距離を空けながら頭を下げた。
「お疲れ様です。頑張ってください。それでは、後ほど」