ひだまりHoney
「うん。今にも泣きだしそうな潤んだ瞳。ちょっと震えてるとことか。小さくて可愛くて、しっかり守ってやりたくなるよなぁ……あ、平加戸じゃなくてチワワの話ね」
「分かってますよ! 私はそんなに小さくないですし、可愛くもないですから」
「えっ……そうか?」
目を細めて私を見るから、私はムッとしたまま背筋を伸ばした。
「本当だ。それなりに背丈あるね。ごめん……ずっと下向いてるから、小さく見えるんだよ。胸張ってろって」
「……善処します」
「宜しい。ほら、行くぞ! 朝の静かな時間がなくなる」
不思議な気分だった。
ちょっとだけ膝がかくかくして気を抜けば転んでしまいそうだったけれど、私はちゃんと紺野さんの後について歩けていた。