ひだまりHoney
改まった声音に怖くなって、私は紺野さんを見た。彼はとても真剣な目をしていた。
「な、何でしょうか?」
「そうやって怖がってるの、疲れない? 克服することも考えてみた方が良いんじゃないか?」
「肩こります。でも私……子供の頃から、痴漢だったり、変質者だったり、そんなのに追いかけられてばっかりで、身を守るために必死だったから。もう体に染みついちゃってるというか……ごめんなさい、こんな態度だと気を悪くさせちゃいますよね」
紺野さんがお気の毒にと呟いた。
それから考えるような仕草をしたのち、彼は力一杯頷いた。
「何て言うかさ。自分を気付いてもらいたくなくて、平加戸自身も周りに無関心になってるような感じがする」
「……えっ」