ひだまりHoney
「どうせなら、格好いいと思えるやつが良いだろ?」
「……それを言ったら紺野さんだって」
「え?」
私は慌てて口をつぐんだ。
紺野さんの事だって、私は格好いいと思っている……あくまでも、仕事をしている時の紺野さんは、だけれども。
「いえ。何でも無いです……と、とにかく。私を押しつけられたら、大田原さんだって迷惑です」
「俺はそう思わないけどな」
「この話、もう止めましょう」
呆れた風に言ってみたけれど、紺野さんは腕を組んで考え続けている。
「私、仕事お手伝いします!」
彼の思考を反らすべく、私はちょっと大きな声で話題を振った。
「えっ? わっ、ラッキー。有り難う」
途端に明るく笑った紺野さんを見て、やっと終わったと私はホっとしたのだった。