ひだまりHoney
忘れた頃に誘われる
重い。
ずっしりと重量感のある茶色の包みを両手で抱え持ちながら、私は歯を食いしばり進んでいく。
それもこれも、紺野さんと目が合ってしまったのがいけなかったのだ。
『ごめんっ! 悪いんだけど、運ぶの手伝ってもらえるかな』
仕事を上がろうとしていたその時に、ちょっと疲れ気味の顔で懇願されてしまい、私は断るに断れなかった。
中身はパンフレットらしい。
これが、どのチームの手がけている仕事のものなのかも分からないまま、私はフロアデスクへ大急ぎで運んでいる。
これから、紺野さんとは目を合わせないようにしよう。
心の中で誓いを立て、私は最後となった包みを持ち直した。