ひだまりHoney
一瞬だけ悲しそうな顔をし、彼は穏やかな声で言葉を続ける。
「僕に興味があると聞きまして。そして僕も君を知りたいなと思いまして」
「……なんですか、それ」
「珠洲さんは、ちょっと男性が苦手なんですよね? でも僕に少しでも興味を持って頂けたのなら、これを機に、二人で苦手意識を克服しませんか?」
「……そ、それってもしかして、紺野さんに聞きました?」
「えぇ。晴暉から聞きました」
「へ、へぇ。そうですか」
私は大田原さんから包みを奪い返すと、わざとらしい笑みを顔に貼り付けた。
「お気遣い有り難うございます……でも、ちょっと言いにくいんですけど、きっとそれ、紺野さんが私と誰かを間違えて、大田原さんに伝えてしまったんだと思います。もしくは紺野さんの甚だしい勘違いです。失礼します」