【完】女王様と、ナヨナヨくん。
原田くんは、好きだと言っていた卵焼きを食べた。
「美味しい。…僕、西さんの卵焼きが好きなんだよ。」
「えっ?」
”卵焼きが好きなんだよ??”
私が作った卵焼きを既に知ってる?
えっ、どういうこと?
まさか……
「ま、まさか……」
「ごめんね、本当はずっと西さんが卵焼きを作ってくれていたこと、気付いてたんだ。」
「は……?何で…」
「西さんは言わなかったけど…本当は最初から気付いてた。でも、ずっと言葉に出来なくて。ごめん。」
「……そう。」
最初からバレていたのね。
やっぱり料理長の言う通り、味は誤魔化せないということかしら。
「あと、俺は西さんに言わないといけないことがあるんだ。」
「私も、言わなければいけないことがあるわ。」
原田くんは、真剣な目をしていた。そして、きっと私も。