【完】女王様と、ナヨナヨくん。
とりあえず、まずは卵焼きから。
パクリ。
……すごく美味しい。
私の作るものよりも、すごく美味しいわ。
そうやっていただいた全てのお弁当が、美味しかった。
「西さん…?一言も喋らないけど、もしかして…美味しくない?」
原田くんが心配そうに聞いてくる。
悔しいけれど、とても美味しかった。けれど、素直に言うのは抵抗があった。
「いいえ。どれも、まぁ美味しかったわ。」
「そっか、西さんの家には料理人がいるって聞いてたから。口に合うか心配だったけど良かったよ。」