【完】女王様と、ナヨナヨくん。
「……そんなの、私には分からないわ。帰る。」
屋上から立ち去れば、少し間をあけたものの飛鳥が急いで追いかけてきた。
そして、そのまま家に帰ることした。
飛鳥は、最初はごめんねとか誤解だってば、と一生懸命言っていたけれど私が無視していたら次第に黙ってしまった。
それからは隣を歩いているものの、沈黙が続いた。
雑踏が響く、夕方の道路。
明らかに雰囲気の重い二人。
飛鳥が、思い切ったように沈黙を破った。
「あのさ、レーラちゃん、」
「……何よ」
「原田くんとの話、あれは私への告白じゃないからね?」