【完】女王様と、ナヨナヨくん。






「失敗しても良いと言いたいわけではありませんが…誰かのために一所懸命料理を勉強してきたことは決して無意味ではないと思います。」



料理長は、とりわけ料理のことになるとすごく優しい顔になる。
厳しさもあるけれど、その優しい顔は料理することを愛しているからだと思う。



その気持ちが、料理長を一流にしたのかしら……


私の両親が、彼を有名なホテルから引き抜きしてきた理由が何となく分かった気がするわ。



「もしも、怜羅さまが上手く出来なくて好きな方にお見せ出来ないくらい失敗したとしても…怜羅さまが一所懸命、気持ちを込めて作ったことに何ら変わりはありません。それには絶対に意味があります。
好きな方にお渡ししないとしても、僕が全て食べますから。好きなだけ作ってくださいね」


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