理想の恋愛関係
――相手は誠実な人柄で仕事も出来る。
そうかもしれないけど……人は見かけじゃないかもしれないけど。
でも、正直言ってこれはキツい。
見ているとこっちまで暑く、息苦しくなりそうだった。
かと言って、そんな失礼な事を思っていると悟られる訳にはいかないから、私は必死に作り笑いを浮かべて会話をこなした。
「緑さんの趣味は何ですか?」
心の中で兄を罵倒しながら、見合い相手である袋小路さんの質問に答える。
「音楽鑑賞です」
「そうなんですか、僕は食べ歩きなんですよ。
美味しい店を自分の足で探すのは楽しいですよ」
納得の趣味だと思った。
勿論、そんな事は言わずに曖昧に微笑む。
「緑さんは料理はするんですか?」
「いえ、苦手なんです。料理は殆どした事が有りません」
期待するような目をした袋小路さんに、はっきりと言った。
あからさまに失望した様子に、ホッとする。
その後も会話は弾まないまま、見合いは何とか終了した。
そうかもしれないけど……人は見かけじゃないかもしれないけど。
でも、正直言ってこれはキツい。
見ているとこっちまで暑く、息苦しくなりそうだった。
かと言って、そんな失礼な事を思っていると悟られる訳にはいかないから、私は必死に作り笑いを浮かべて会話をこなした。
「緑さんの趣味は何ですか?」
心の中で兄を罵倒しながら、見合い相手である袋小路さんの質問に答える。
「音楽鑑賞です」
「そうなんですか、僕は食べ歩きなんですよ。
美味しい店を自分の足で探すのは楽しいですよ」
納得の趣味だと思った。
勿論、そんな事は言わずに曖昧に微笑む。
「緑さんは料理はするんですか?」
「いえ、苦手なんです。料理は殆どした事が有りません」
期待するような目をした袋小路さんに、はっきりと言った。
あからさまに失望した様子に、ホッとする。
その後も会話は弾まないまま、見合いは何とか終了した。