理想の恋愛関係
「なかなか楽しそうに話していたな」
白々しい兄の言葉に、私は恨みの籠もった目を向けながら言った。
「よくも騙してくれたわね」
「だ、騙すって何をだ?」
「わざと隠してたでしょ? 見合い相手の体型の事! 誠実とか語る前に言うべきでしょ?」
「い、いや……結婚にそこまで外見は関係ないだろ?」
よく考えてみれば最初からおかしな話だった。
相手の写真すら無かったんだから。
間に合わなかったんじゃなく、あえて用意しなかったに違いない。
「とにかくすぐに断っておいて。
まあ相手から断って来る気もするけど念の為」
「……そうか。お前がそこまで言うなら仕方ない……二人とも大食いだし、一緒に食べ歩きなんかいいかと思ったんだけどな」
「……!」
私は馬鹿な事をブツブツと言う兄を無視して、タクシー乗り場に向かった。
家に帰って、優斗君に今日の失態のフォローのメールをしたかった。
そして、袋小路さんの事は早く忘れてしまおう。
そう思っていたのに、翌日早々、袋小路さんから付き合いを進めたいとの連絡が入った。
白々しい兄の言葉に、私は恨みの籠もった目を向けながら言った。
「よくも騙してくれたわね」
「だ、騙すって何をだ?」
「わざと隠してたでしょ? 見合い相手の体型の事! 誠実とか語る前に言うべきでしょ?」
「い、いや……結婚にそこまで外見は関係ないだろ?」
よく考えてみれば最初からおかしな話だった。
相手の写真すら無かったんだから。
間に合わなかったんじゃなく、あえて用意しなかったに違いない。
「とにかくすぐに断っておいて。
まあ相手から断って来る気もするけど念の為」
「……そうか。お前がそこまで言うなら仕方ない……二人とも大食いだし、一緒に食べ歩きなんかいいかと思ったんだけどな」
「……!」
私は馬鹿な事をブツブツと言う兄を無視して、タクシー乗り場に向かった。
家に帰って、優斗君に今日の失態のフォローのメールをしたかった。
そして、袋小路さんの事は早く忘れてしまおう。
そう思っていたのに、翌日早々、袋小路さんから付き合いを進めたいとの連絡が入った。