理想の恋愛関係
「マンションを借りる?」


翌日、早速家を出る事を鈴香に報告した。


「そう。諸事情で家を追い出されるから」

「追い出されるって……その割りに楽しそうじゃない」

「まあ、前から一人暮らしはしたかったからね」

「ふーん。それでどこに借りる訳? 事務所の近く?」


鈴香は私が見ていたパソコンの画面を覗き込みながら言った。


「……事務所からも実家からも離れてるわね。
 何でこの駅?」

「別に……良さそうな街だと思って」


さり気無くそう言ったけれど、鈴香に呆れた声で言われてしまった。


「二ノ宮優斗の家が近くに有るんでしょ?」

「……」

「いくらなんでも、ストーカーと思われない?」

「そうね……やっぱり同じ駅は止めておく」


鈴香の言う通り、引かれてしまったら辛い。


事務所と優斗君の家の中間辺りで探す事にしよう。
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