理想の恋愛関係
「優斗君、こんにちは」

「緑さん、上がって」


優斗君は優しく微笑みながら、私を迎えてくれた。


「リビングに母さんが居るから」

「ええ」


遂に対面と思うと、なんだかとても緊張して来た。


優斗君のお母さんが私を受け入れてくれなかったらどうしよう。


気に入られなかったら……靴を脱ぎながらそんな事を考えていたら、ふと思い立った。


これって、なんだかまるで、結婚の挨拶に来たみたい。


昔のドラマでこんなシーン見た事有る。


確か、こうして歩きながら彼女が、

―お母様に気に入られなかったら、どうしよう―

なんて、隣に歩く彼に不安そうに言うんだった。


それで彼が、

―大丈夫だよ。君は僕が選んだ人なんだから―

とか答えて二人はうっとりと見つめ合う……。


そんな事を思い出していると、

「緑さん?」

「え?」

「何、ブツブツ言ってるんだ?」

優斗君が不審そうな顔で聞いて来た。
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