理想の恋愛関係
「ご馳走様、美味しかったよ」


優斗君は気に入ってくれたようで全部食べてくれた。


そしてお母さんも殆ど食べてくれた。


これは……今日、最高の好感触。


頑張った甲斐が有った。


そう思い内心喜びの声を上げていると、お母さんがポツリと言った。


「やっぱり、手料理はいいわね」


……また作りに来てって言って欲しい。


次の言葉をドキドキとして待っていると、優斗君が言った。


「母さんも作ればいいんだよ。昔は料理好きだったじゃないか」


……話が違う方向に行ってしまった。


がっかりしながらも、余計な口は挟まずに二人のやり取りを聞いていると、お母さんは浮かない顔をして言った。


「……もうそんな気持ちになれないわ。自分の不幸を思うと何もやる気になれないの」

「……」


優斗君はお母さんから目を逸らしため息を吐いた。


でも私はお母さんから目を背ける事が出来なかった。


お母さんの言葉がショックだった。
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