理想の恋愛関係
「あ、あの……すみません。私、余計な事を……これを片付けたら直ぐに帰ります!」


私は大急ぎで、空になった皿をまとめると、一気にキッチンに運び猛スピードで洗い始めた。


この汚れみたいに、今の失態を消し去りたい。


せっかく優斗君と仲良くなれて来ていたのに!


きっと今ので、縮んでいた距離がまた果てしなく開いてしまった。


大声で泣いてしまいたい気持ちだった。




全て片付け終わったけど……優斗君達のところに戻るのが怖かった。


でも、黙っていなくなる訳には行かない。


恐る恐るリビングに戻ると、優斗君とお母さんは何か話し込んでいた。


割り込むのは気が引けるけど、私がいつまで滞在している方が良くないだろう。


「あの……片付け終わりましたので、私はこれで失礼します」


二人は私の声に、会話を止めて振り向いた。


……気まず過ぎる。


でも今は失態のフォローをする気力が無かった。


頭を下げると、逃げる様に優斗君の家を後にした。
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