理想の恋愛関係
優斗君の妹は、親の再婚で兄妹になった、血の繋がりの無い義理の妹だと聞いていた。


確かに見た目は似ていない。


里桜という名の彼女は、綺麗な顔立ちだけれど、童顔で少女の様な雰囲気の女性だった。


優斗君と同じ年だから私より２歳年下だけれど、もう結婚してるという。


結婚相手は兄も取引をしている大きな会社の社長で、私も気を遣わなくてはいけない相手だった。


「あの、高遠里桜さん？」


感じ良く見えるであろう笑顔で話しかけると、里桜さんは可愛らしい笑顔で頷いた。


「はい、そうですが……」

「私、栖川緑といいます。里桜さんのお義兄さんの優斗さんと結婚を前提の付き合いをさせて頂いているのでご挨拶をと思いまして」

「……えっ？」


優斗君から何も聞いて無かったのか、里桜さんは驚いた様な声を出した。

「……優斗君から聞いてませんか？」

私がそう聞くと、里桜さんは慌てた様に首を横に振った。


「いえ……お見合いをした事は聞いています。最近会う機会が無かったので詳しい話は知りませんが……」


まるで、弁解する様にそう言いながらも里桜さんはどこか気まずそうで、さり気無く私から目を逸らした。


一体どうしたんだろう。

釈然としない気持ちに眉をひそめていると、長身の男性が話に割り込んで来た。


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