理想の恋愛関係
「今日じゃ駄目ですか? 私、早く相談にのってもらいたくて……」


留美は悲しそうに、目を伏せた。


「え……そんなに急いでるのか?」

「はい……でもやっぱり迷惑ですよね?」


その弱々しい態度に、優斗は慌てて取り繕うように言った。


「いや、迷惑って訳じゃないけど、相談なら落ち着いた状況の方がいいかと思ったから……」

「私、二ノ宮部長しか相談出来る相手いないんです」

「……」

そう言えば、留美は昼休みも一人で過ごしていると以前、言っていた。


同じチームの社員達と上手くいってないようにも見えた。


だから、本来の相談窓口の直属の上司を飛ばして、自分に相談に来たのかもしれない。


「……吉澤さんは、今の仕事がやり辛いのかな?」


留美は派遣社員だから優斗に人事権は無いけれど、部署内の担当替え程度なら可能かもしれない。


留美の話を聞いて、今後働くのに支障が有る程の問題なら対策を考えないといけない。


あれこれ考えていると、留美から思いがけない返事が返って来た。


「あの、相談は仕事についてじゃないんです。
プライベートな事で……」
< 240 / 375 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop