理想の恋愛関係
突然言われた別れの言葉に、私は大きなショックを受けた。


動揺して酷い暴言を沢山吐いた。


優斗君はひたすら謝って来たけれど、別れの決意を変える様子は無く私の言葉は何一つ届かなかった。


今までどんな要求ものんでくれた優斗君が、頑なに私を拒絶している事に更にショックを受けた。


それでもプライドが邪魔をして泣く事は出来なかった。


理性をかき集めて理由を聞いた。


「好きな女性がいるんです。どうしてもその人を忘れる事が出来ない。こんな気持ちで結婚なんて出来ないと気付いたんです」


その答えに、もう立ち直れない程の衝撃を受けた。


つまりは、初めから私に対して何の気持ちも無かったという事だ。


今まで少しずつ積み重なった疑問が一瞬で晴れる気がした。


関心が無さそうな態度で当たり前。


本当に関心が無かったのだから。


彼は好きな女性がいながら、お金の為に結婚しようとした。


誠実だと……今までの男とは違うと信じていた優斗君が、実は一番たちが悪い男だった。
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