理想の恋愛関係
「優斗にははっきり言わないと駄目だよ。
あいつは後ろ向きで悪い方にばかり考えるからね。待ってたって時間の無駄だよ、自分から行かないと」


この人……私の話、聞いてない?


私が優斗君を好きだと決め付けているような……当たってるんだけど。


それにしても既にはっきりと告白済みで、常に自分から行ってるのに駄目な場合はどうすればいいのだろう。


「まあ、優斗は止めた方がいいけどね。かなり屈折してるし、付き合っても苦労するよ」


……屈折してるって……どうして高柳さんは、ここまで優斗君を悪く言うのだろう。


この人に優斗君が何をしたと言うのだろう。


「知らないのかもしれないけど、優斗は母親にも問題が有るから関わらない方がいいと思うよ」

「お母さんの事は知ってます。お会いした事有りますから!」


イライラとして、ついキツい声になってしまった。


高柳さんは少し驚いた顔をしている。


……しまった。
落ち着かないと。


私は一息ついてから、冷静さを心がけて言った。


「あの……私は二ノ宮さんの性格や人間性に問題が有るとは思えません。私は二ノ宮さんを信頼しています」


本当は山のように文句を言ってやりたいところだけど、こんな所で騒ぎを起こす訳にはいかない。


それに相手も悪すぎるし。


でも、優斗君を信用している人間もいるって事を伝えたかった。
< 259 / 375 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop