理想の恋愛関係
「緑さん、大丈夫だった?」


優斗君はなぜか心配そうな顔をして言った。


「え、何が?」


よく分からなかったけれど、それより私は優斗君が心配だった。


また何か嫌な事を言われたんじゃないかと思うと、気が気じゃなかった。


「優斗君は平気? あの人何でもズバズバ言う感じだし……」


優斗君は複雑そうな顔をしながらも、頷いた。


「ああ、変な事は言われてないよ……緑さんの事を大事にしろって言われただけだ」


あれ?……意外と良い人かもしれない。


「緑さん、さっきはありがとう」

「え?」

「緑さんの言ってくれた事嬉しかったよ」


優斗君に優しく微笑みながら言われ、心臓が狂った様に高鳴った。


「あ、あの……さっきのって……どこから聞いてたの?」


どこが良かったのか具体的に聞きたい。


そうしたら何度だって言うのに。


でも優斗君は笑うだけで、残念ながら教えてくれなかった。


それでも……今までに無いくらい幸せだった。


優斗君との距離が、また近くなった気がした。


それから優斗君に付き添って挨拶をしたり、浮かれながらお酒を飲んだり、本当に楽しくて幸せな時間を過ごした。
< 263 / 375 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop