理想の恋愛関係
「お前が騙されていないか心配なんだよ。相手が相手だからな」

「は? どういう意味?」

「あの男は止めた方がいいと言ってるんだ」


妙にムキになっている龍也を見ている内に、以前の事を思い出した。


龍也は優斗君の事を馬鹿にした発言をした事が有った。


「……ねえ、何でそんなに優斗君を悪く言う訳?」

「別に。悪くなんて言っていない」


完全な嘘だと思った。


優斗君を気に入らないと顔に書いてあるようにすら見える。


……もしかして龍也は私の事をどうこう思っていると言うより……。


不意に閃いた考えに、私は心底軽蔑して龍也を見た。


「龍也、いろいろ理由を付けてるけど本当は優斗君に嫉妬してるんでしょ?」

「何だと?」


龍也はカッとして私を睨んだ。


「そんな事有る訳無いだろう?」


そのムキになる態度が図星と言っているようなものだった。


龍也は以前自分で言っていた。


優斗君の事を若くして事業部長だとか……自分達とは役職が違うから関わる事は無いとか……。


やっぱり年下の優斗君が自分よりずっと上の役職で有る事に嫉妬していたという事だ。
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