理想の恋愛関係
私は今度も迷う事なく頷いた。


「もう随分優斗君の事、見ているもの。 何を言われるかなんて想像出来るわ」

「そ、そうなのか?」


気まずそうな優斗君に私はフッと笑ってみせた。


「もう覚悟は出来てるから遠慮なく言って」

「あ、ああ……でもなんか予想されていたと思うと言い辛いな」

「気にしないで大丈夫、こういう事は早く済ませた方がいいから。
それで話がまとまったら予定通り食事に行きましょう」

「し、食事……緑さんお腹が空いてるのか? だったら食後落ち着いてからの方が……」

「え? それはちょっと……」


憂鬱な事は先に済ませておきたい。


まだ告白を諦めていない私としては、ロマンチックレストランには万全の体制で臨みたい。


「さあ、優斗君言って!」


思い切って言いたい事言ってすっきりして下さい。


そしてさっきの出来事は記憶から抹消して欲しい。


そう願いながら、優斗君をじっと見つめる。


優しい優斗君は困ったように視線を泳がせていたけれど、ついに決心したのか私を真っ直ぐ見て言った。


「いつの間にか緑さんの事を好きになってた」
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