理想の恋愛関係
でも……優斗君は、冗談だよと言う事も無く、笑い出す事もなく、真剣な顔で私を見つめている。


その様子を見ている内にだんだんと実感が湧いて来た。


優斗君が私を好きになった。


……両想いになった?


「う、嘘……」


思わず呟くと、優斗君は首を傾げた。


「嘘じゃないし、緑さんも分かってたんだろ?」


分かってる訳が無い!


だって優斗君がそんな事言ってくれる可能性なんて1%も無いと思ってたし、夜景を見ながら告白の計画も立ててたし。


でも……、


「信じられない……嬉しくて死んじゃいそう」

「は? え……緑さん?」


こみ上げる涙を止められなくて、子供のように泣いた。


優斗君を好きになってから今までの出来事が思い浮かんで……ついに報われた想いが嬉しすぎて……どうしても涙が止まらなかった。
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