理想の恋愛関係
「そっか、良かったね」

「うん。本当に……最高の気分だわ」

「正直、上手くいくとは思ってなかった。でも、願えば叶うものなんだね」


鈴香はしみじみと言う。


その言葉に、また喜びが湧いて来た。


願いが叶ったと実感すると、気持ちは舞い上がっていく。


でも、いつまでも浮かれていられない。


もっと喜びを訴えたいのを我慢して、仕事の準備を始めた。


その様子を眺めていた鈴香が、何気なく言った。


「今日はデートなの?」

「え? 今日は会う約束してないけど」


メールのチェックをしながら答えると、鈴香も何かゴソゴソと作業をしながら言った。


「じゃあ、初デートはいつ?」

「初デート?」

「そう。恋人になってはじめてのデート」

「……」


そう言えば……次に会う約束していない。


昨日は夢のような出来事ばかりで、ボンヤリしていて。


デートの約束まで気が回らなかった。


「緑?」

「あっ……次の予定はまだ決めてないの。でも優斗君から連絡が来ると思うから、その時決めるわ」


そう、優斗君とは恋人同士になったんだし今までとは違う。


きっと夜に連絡をくれるはず。

そうしたら、デートの約束をしよう。


「緑、良かったね。想いが通じて」


幸せな未来を信じながら、鈴香の言葉に笑顔で頷いた。
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