理想の恋愛関係
「だ、大丈夫?」


優斗君の身体が心配になった。


「トラブルが有って、今対応してるんだ」

「そう……ごめんなさい、忙しい時に電話しちゃって」

「いや大丈夫、落ち着いたらかけ直すよ」

「……分かった、待ってるから」


優斗君は、ああと言って電話を切ってしまった。


通話時間……約一分。


……業務連絡より短いかも。


がっかりしながら、ソファーにドサリと座った。


せっかく両想いになれたのに、ろくに会話も出来ないなんて……寂しすぎる。


でも、優斗君は仕事をしてるんだから文句は言えない。


それに、またかけると言ってくれたんだし。


「……はあ」


そう頭で思っても溜め息が漏れた。


きっと浮かれ過ぎて期待し過ぎてしまってるんだ。


優斗君も私と同じくらい盛り上がって、愛情を向けて欲しいと願ってしまう。


自分勝手な願いだとは分かっているんだけど。


モヤモヤした気持ちで、電話を待っていたけれど、結局その夜優斗君からの連絡は無かった。
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