理想の恋愛関係
鈴香は私を憐れむような目をして見た。


「まあ……悲しい気持ちは分かるよ。もの凄い温度差だもんね、でも一応付き合えてたんだし、信じて待ってみれば?」


そりゃあ、もちろん待つけど。


でもこの苦しみをどうやって紛らわせばいいのか分からない。


それに正直、信じきれないところも有る。


この前は別れないと言ってたけど、兄がゴチャゴチャ言ったら、優斗君も面倒になるかもしれない。


―やっぱり上手くやって行く自信が無いし別れよう。短い間だったけど、ありがとう―



なんて、爽やかに微笑みながら言われてしまうかもしれない。


そんな事になったら立ち直れない!


優斗君の事になると、全く自分に自信が持てない。


「優斗君の事になると、後ろ向きになっちゃうの。いつか結婚出来てもずっとこうなのかと思うと辛い」

「え、別に後ろ向きじゃないと思うけど。今の状況で結婚とか言える時点でかなりポジティブだと思うよ」


……そうかもしれないけど。


なんだかんだ言って期待を捨て切れない複雑な女心というか。
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