理想の恋愛関係
「な、何だ?」


突然声もなく立ち上がった私に龍也は驚いたようだった。


鈴香も怪訝そうに私を見ている。


二人の視線を感じながら、私は龍也に冷たく言い放った。


「龍也、いい加減その口閉じてくれない? さっきから下らない事ペラペラと……耳障りで仕方ないんだけど」

「なっ、何だと!?」


龍也はカッとしたようで、顔を赤くした。


「ちょっと緑、言い過ぎだよ!」


鈴香が慌てた様子で私をたしなめて来る。


でも、私は止まらなかった。


「ついでにそんな所に突っ立って居られたら邪魔だから! サッサと自分の席に戻ってよ」

「じ、邪魔だと?」


わなわなとする龍也に、私は即頷いた。


「連れの女性も待ってるみたいよ。さっきからこっちチラチラ見てるし、本当に迷惑だわ!」


キツく睨み付けて言い切った。


龍也は完全に怒り私に憎悪の目を向けて来ていたけれど、なぜか突然ニヤリと笑った。

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