理想の恋愛関係
「えっ、優斗君が？！」


そんな……優斗君に何が有ったと言うのだろう。


もしかして、病気にでも？

急激に不安になり、私はお母さんに話の続きを急かした


「あの！ 優斗君に何が有ったんですか？！ 今、優斗君は一緒に居ないんですか？」


そもそもどうしてお母さんが優斗君の電話を使い、私にかけて来るのか。


やっぱり何か大問題が起きたのかもしれない。


ハラハラしながら返事を待っていると、お母さんが相変わらず小さな声で言った。


「優斗はまだ帰ってないの」

「え？ でもこの電話……」

「家の電話だけど……」

「あっ、そうですよね」


表示された優斗君って文字に興奮して、気付かなかったけど、優斗君の家からの電話だったんだ。


慌て過ぎている。
落ち着かなくては。


私は気を取り直し、お母さんにもう一度言った。


「お母さん、それで優斗君に何が有ったんですか？」

「それは……」


それは？

…………え？ 無言？


恐ろしく空いた間に、少しイライラとしながら耐える。


相手は優斗君のお母さんだし、慌ててはいけない。


そうやってひたすら待っていると、お母さんがポツリと言った。


「家に帰って来ないの」

「えっ？ 家に帰らずにどこかに泊まってるって事ですか？ いつから帰ってないんですか？」


それは本当に、おかしな話だと思った。


優斗君は精神的に安定していないお母さんを、かなり気にしていた。


家に帰らないなんて、今までは有り得ない行動だった。


優斗君に何が有ったんだろう。

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