理想の恋愛関係
何日も前から楽しみにしていたデートだったのに、何一つ上手くいかなかった。


計画していた事は何も出来なかったし、張り切って作ったお弁当だって優斗君に大した感動を与えられなかった。


それどころか彼女を思い出させてしまうという、嬉しく無い結果になってしまった。


内心溜息を吐きながら、前を歩く冷たい背中を見つめた。


本当にもう諦めるしかないのかもしれない。


こんな事をしていても優斗君の負担になるだけだし、私も思ってた以上に傷付いてしまう。


自分の気持ちに正直になって行動しても、叶わない想いは有る。


こんな好意の押し売り止めなくちゃいけないのかもしれない。


果てしなく沈んだ気持ちになりながら、トボトボと歩いていると、突然足に激しい衝撃が襲って来た。


「キャア！」


悲鳴を上げながらその場に派手に転がってしまった。


何が起こったのかまるで分からないけれど、地面についた手も、ぶつけた膝も、転んだ原因となった足首も全てが痛い。


すぐに起き上がれないでいると、人が近付いて来る気配を感じた。
< 64 / 375 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop