理想の恋愛関係
ランチのピークは過ぎたのか、店内は空いていてすぐに座れた。


「最近どうなの?」


席に着いた途端に、鈴香が言った。


「そういえば、昨日付き合おうって言われたわ」


携帯をチェックしつつそう答えると、鈴香は驚いた声を上げ身を乗り出して来た。


「いつの間にそんな事になってたわけ? 緑は執着してたけど、絶対無理だと思ってたのに……」

「……相手は優斗君じゃ無いから」


鈴香の失礼な言葉に私は眉をひそめながら言い、携帯をバッグにしまった。


優斗君からの連絡は相変わらず無くて、何回チェックしてもメールの一つすら入って来ない。


「は? じゃあ、誰から言われたの?」

「以前、鈴香の開いたパーティーで知り合ったサラリーマン。たまにメールが来てたんだけど、この前偶然に再会したの」

「それで、盛り上がって付き合おうってなったの?」

「別に盛り上がっては無いけど。ただ……」

「ただ?」

「私も、まだまだいけるんだと思った」

「……は?」


私のその言葉に、鈴香は怪訝な顔をした。
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